気仙沼FSアトリエの人びと(6)


▲赤い文字で「サイシン」とある建物は、龍彦さんのお父様が経営する斎新商店
 今月23日に再オープンが決定!(写真は9/9撮影)


東日本大震災後、すぐに手づくり市の売り上げから              被災地への「寄付」を始めたマルティナさん。

その後、被災した方々が自立するためには、
「寄付」ではなく「はたらく場所」が必要と考え、
気仙沼にアトリエをつくり、みんなが集まりました。

では、今、被災地気仙沼で「はたらく」とは、
どういう意味を持つのでしょうか?

斉藤龍彦さんにお伺いしました。

■斉藤龍彦さんプロフィール
気仙沼で生まれ育ち、学生時代は神戸で過ごす。
その後家業に入る前に群馬県でアパレルの修行を4年半行い、
実家に戻り、震災を経て現在に至る。
趣味は30年近く続けているピアノ。
クラシック音楽鑑賞、欧州サッカー観戦。
現在は、「梅村マルティナOpal毛糸」webショップ担当。

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被災地気仙沼ですが、結構元通りになってきています。

でも、それは見た目だけ、
ごく一部であって復旧に向けて様々な問題が噴出しており
商売をしていく状況もあまり良くないように思えます。

でも、マイナス面ばかりではありません。

震災によって失われたものばかりではなく、
震災をきっかけに生まれたものも多いのです。

今回マルティナさんとサイシンが毛糸事業を始めたように、
若くてアイデアに溢れた起業家が新規事業を立ち上げたり、
これまでの事業の見直し・方向転換をはかる会社があったりします。
企業活動が活性化している点は、
以前の気仙沼には見られなかったことです。

マルティナさんと出会えて
地元のために新たな事業をスタートできたのは
何とかなると信じてやってきたからではないでしょうか。

そして、大沢の人たちと知り合い、
編み物教室で多くの方々と出会い、
webショップでは多くのお客様から
励ましのメッセージを頂戴して.....
心強い味方・仲間や応援してくれる
人がたくさんできました。

ありきたりですが、"ピンチをチャンスに変える"
 
ピンチに見舞われてあきらめるか、立ち向かうか、
それが今後被災地で生き残れるかどうかを
決めると思います。

根拠のない自信でも、ちっぽけなプライドでもいいんです。
細くても折れない、小さくても潰れない気持ちがあれば、
被災地だろうがどこだろうが
やっていけると思っています。

斉藤龍彦(有)斎新商店