被災地をめぐる【後編】
=自然海岸へ=
▲気仙沼岩井崎にて
その後、「龍の松」で有名になった岩井崎を訪ねました。
ここは、ぐるっとパノラマ状に海を見渡せる場所で、
入り組んだ海岸線と、ごつごつした岩が
独特の美しい景観を生み出しています。
「堤防なんか造らないで、ここのような自然海岸に戻していきたい」
最後にここを案内して下さって、
海とともに生きてきた、そしてこれからも生きていく
斉藤さんの覚悟が伝わってきました。
【斉藤さんに教えてもらったこと】
1.まず、自分が助かろうと思うこと。
家族全員がそう思っていること。
2.当事者が家族と連絡を取ることを優先するために
友達は連絡を遠慮すること。(電話のバッテリー消費を防ぐため)
3.現金を持っておくこと。
震災後は、カードがつかえません。
4.車から充電できる機器をひとつ持っておくこと。
5.人と同じ逃げ方をしないこと。
=気仙沼から「想う」こと=
「震災の夜、電気が消えて真っ暗になって、
星がものすごくきれいでした。
星がきれいだと、どうなるかわかりますか?
空がものすごく明るくなって、青い色になるんです。」
———————気仙沼で聞いた話より
1年半経った被災地は、
あまりにも復興という言葉からは遠く、
途方に暮れる光景を幾度も目の当たりにしました。
そのようななか、「語ること」をして下さった斉藤さんの勇気、
この土地で生きていくという決意からわたしたちは学び、
そのことを伝えていくことが大切と感じています。
気仙沼は、海はもちろんのこと
深い森がある大変美しい土地です。
ここで暮らす方々を想うこと、
想像力のスイッチを入れて
まず、そこから始めてみませんか?
終
文/きょうこ